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Korean for Japanese Speakers: Grammar Structures Compared

October 16, 2025
5 min read

日本語話者のための韓国語:文法構造の比較

韓国語を学ぶ日本語話者にとって、最も大きなアドバンテージは文法の類似点にあります。実は、両言語の文法構造は驚くほど共通しています。これを理解すれば、韓国語習得への道のりがぐっと近づくはずです。この記事では、基本となる文法構造を比較しながら、その類似点と相違点を探っていきます。

基本語順:SOVがカギ

まず、根本的な共通点から確認しましょう。日本語も韓国語も、基本語順は「主語 - 目的語 - 動詞」(SOV)です。

**日本語*: 私は(S) 本を(O) 読みます(V)。 **韓国語*: 저는(S) 책을(O) 읽습니다(V)。

この点だけでも、英語などのSVO言語を学ぶ場合に比べて、大きな負担が減りますね。文の骨組みはほぼ同じと考えてよいでしょう。

助詞の役割:は・がと는・が

文の要素同士の関係を示す「助詞」。これが両言語の核心的な類似点です。日本語の「は」「が」「を」「に」などは、韓国語ではそれぞれ「는/은」「가/이」「를/을」「에/에게」などの助詞に対応します。

**主題・対比の「は」*: 日本語の「は」は、韓国語の「는/은」に相当します。 * 私は学生です。 → 저는 학생입니다. **主格の「が」*: 日本語の「が」は、韓国語の「가/이」に近い役割です。 * 雨が降ります。 → 비가 옵니다.

ただし、この使い分けは完全に一致するわけではありません。文脈やニュアンスによって、日本語では「は」を使うところを韓国語では「が」を使う場合もあります。細かい感覚は学習を進める中で掴んでいく必要があります。

動詞と形容詞の活用:用言の変化

日本語の動詞や形容詞(用言)は、丁寧形や過去形などによって語尾が変化します。韓国語も全く同じ概念です。語幹は変わらず、語尾が豊富に変化します。

**丁寧形(現在)*: * 日本語: 行き**ます** / 食べ**ます** * 韓国語: 갑**니다** / 먹습**니다** **過去形*: * 日本語: 行き**ました** / 食べ**ました** * 韓国語: 갔**습니다** / 먹었**습니다**

特に、韓国語の形容詞は日本語と同様に動詞のように活用します。「美しい」という形容詞が「美しかった」「美しくない」と変化するのと同じです。

敬語の体系:丁寧さのレベル

日本語には丁寧語、尊敬語、謙譲語があります。韓国語にも非常に発達した敬語体系が存在します。基本となるのは「하십시오体」(丁寧形)と「ハゲ体」(親しい形)の区別です。日本語の「です・ます」調と「だ」調の違いをより形式的にしたものと考えるとイメージしやすいでしょう。相手や状況に応じて言葉遣いを変えるという感覚は、日本語話者にはとてもなじみやすい概念です。

主な相違点に注意

ここまで類似点を見てきましたが、違いももちろんあります。意識しておきたいポイントをいくつか挙げます。

1. 助詞の省略 日本語では会話で「は」「を」などの助詞がよく省略されますよね。韓国語では、特に「が」「を」に当たる主格助詞と目的格助詞の省略が非常に頻繁に行われます。最初は戸惑うかもしれませんが、これが自然な会話のリズムを作ります。

2. 否定の形 日本語の否定「~ない」は動詞の末尾に直接付きます。韓国語の否定には、主に2つのパターンがあります。

  • 短縮形: 動詞の前に「안」を置く(簡単)。
  • * 食べない → 안 먹어요
  • 長い形: 動詞の後に「~지 않다」を付ける(少しフォーマルな印象)。
  • * 食べない → 먹지 않아요

    3. 存在・所有の表現 「ある」「いる」の表現も少し異なります。韓国語では、物がある場合は「있다」、人や動物がいる場合も「있다」を使います。日本語の「ある」と「いる」の区別はありません。否定は「없다」です。

    学習のアドバイス

    これらの類似点と相違点を踏まえて、学習を進めるコツを考えてみましょう。

    強みを活かす。SOV語順や助詞の概念は、最初から理解できている大きな強みです。ここに集中すれば、基本的な文構造はすぐにマスターできるでしょう。

    違いを受け入れる。否定形や助詞の省略など、完全に一致しない部分は「韓国語のルール」としてシンプルに受け入れ、練習を重ねるのが近道です。

    音に慣れる。文法は似ていても、音声体系はまったく異なります。発音と聞き取りの練習は、日本語話者にとって最初の大きな壁になるかもしれません。時間をかけて慣れていきましょう。

    まとめ

    日本語と韓国語の文法は、兄弟のように似た部分がたくさんあります。語順、助詞、活用といった核心的な部分で共通点が多いことは、学習において計り知れない利点です。一方で、助詞の省略の頻度や否定の作り方など、細かい違いも確かに存在します。これらの類似点を足がかりに、相違点をひとつずつクリアしていくことで、日本語話者は韓国語の文法を比較的短期間で効率的に習得できるはずです。